摸様
摸様
名詞
標準
文例 · 用例
小説に摸写せし現象も勿論偶然のものには相違なけれど、言葉の言廻し脚色の摸様によりて此偶然の形の中に明白に自然の意を写し出さんこと、是れ摸写小説の目的とする所なり。
— 二葉亭四迷 『小説総論』 青空文庫
当時の法廷の摸様は、信憑すべき記載もなく、又其事に与つた人も亡くなつたので、私は精しく知らぬが、裁判官の中にも同志の人たちに同情するものがあつたので、苛酷な処置には出でなかつたさうである。
— 森鴎外 『津下四郎左衛門』 青空文庫
家がそんな摸様になつてゐて、そこへ重立つた門人共の寄り合つて、夜の更けるまで還らぬことが、此頃次第に度重なつて来てゐる。
— 森鴎外 『大塩平八郎』 青空文庫
中屋敷では、時田が美吉屋の家宅の摸様を書いたものを一同に見せ、なるべく二人を生擒にするやうにと云ふ城代の注文を告げた。
— 森鴎外 『大塩平八郎』 青空文庫
帯は銀色に鈍く光る、粗い唐草のような摸様であった。
— 森鴎外 『青年』 青空文庫
おちゃらは緋の友禅摸様の長襦袢、今一人は退紅色の似寄った摸様の長襦袢が、膝から下に現れる。
— 森鴎外 『青年』 青空文庫
袴の下に巻いていた、藤紫地に赤や萌葱で摸様の出してある、友禅縮緬の袴下の帯は、純一には見えなかった。
— 森鴎外 『青年』 青空文庫
」 この年の秋猿若町市村座で、河竹新七作|網摸様燈籠菊桐が興行せられた。
— 森鴎外 『細木香以』 青空文庫