洟垂れ
はなたれ
名詞
標準
文例 · 用例
「二十四五の旅の女の人が通った筈だが――何方へ行ったか、教えてくれ」 井上半十郎は静かに声を掛けると、「天龍を遡上ったよ」 洟垂れの男の子が答えます。
— 野村胡堂 『江戸の火術』 青空文庫
この謹直な君子人のまえでは、将門も、かつての洟垂れ童子の頃そのまま、ただ、畏まって、往年の恩義を謝したり、これからの勤勉と、家運の挽回をちかうくらいが、関のやま、口に出る話題であった。
— 吉川英治 『平の将門』 青空文庫
根っから釣れんで、くそ面白くもねえで帰えって来た』『ぬしゃあ、剣術はうめえが、釣は洟垂れ頃から下手ずら』『ははは。
— 吉川英治 『新編忠臣蔵』 青空文庫
小猿を連れた洟垂れ武士、舷へ出ろ、舷へ」 すると、船のうちで、「わしのことか」 何を先でいっても答えるなといいあっていた客のうちから、突然、こう答えて舷に立った若者があった。
— 火の巻 『宮本武蔵』 青空文庫
しらくも頭で洟垂れの畸形児みたいに手脚ばかりヒョロ長かった嬰児の時から知っている武蔵である。
— 火の巻 『宮本武蔵』 青空文庫
……はい、さようでございまする」 沢庵の姿を仰ぐと、以前の洟垂れ小僧に返って、彼はただ恐れ入るばかりな容子だった。
— 二天の巻 『宮本武蔵』 青空文庫
そこへ汚い洟垂れ小僧が立並んで、看板を見上げている。
— 江戸川乱歩 『百面相役者』 青空文庫
だが私としては子供達と愉快にやってゆきたかっただけのことです」廊下では相も変らず先の子供たちが騒ぎ合いながら、時々戸を開けては洟たれ顔で覗いたり、目をつぶって舌を出してみせたりした。
— 金史良 『光の中に』 青空文庫