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美髯

びぜん
名詞
1
標準
文例 · 用例
美髯を貯え、ネクタイピンを閃かした老年の紳士が立ち上って来て礼儀正しく、むす子に低声で何か真面目な打合せをすると、むす子は一ぱしの分別盛りの男のように、熟考して簡潔に返事を与えた。
岡本かの子 母子叙情 青空文庫
濱島武文は艦尾の巨砲に凭れて悠々と美髯を捻りつゝ。
押川春浪 海島冐檢奇譚 海底軍艦 青空文庫
柵の外より頻りに汽車の方を覗く美髯公のいずれ御前らしきが顔色の著しく白き西洋人めくなど土地柄なるべし。
寺田寅彦 東上記 青空文庫
いよいよ蝋管に声を吹き込む段となって、文学士は吹き込みラッパをその美髯の間に見える紅いくちびるに押し当てて器械の制動機をゆるめた。
寺田寅彦 蓄音機 青空文庫
しっくりと西洋|鞍置いたるに胸を張って跨ったのは、美髯広額の君ではなく、一個白面の美少年。
泉鏡花 黒百合 青空文庫
他愛なく頭が下つたと云ふのは、中年の一個美髯の紳士、眉におのづから品位のあるのが、寶石を鏤めた藍の頭巾で、悠然と頤の其の髯を扱いて居た。
泉鏡太郎 人參 青空文庫
髪をオールバックにチックで反らして、美髯の、瀟洒な風姿であるが、何か気取って、笑うにも声もさして立てず、肯き肯きする。
北原白秋 フレップ・トリップ 青空文庫
」 次ぎに、巣鴨學校の美髯校長がゐる。
憑き物 泡鳴五部作 青空文庫