思い止まる
おもいとまる
動詞
標準
文例 · 用例
家のお父っさんは隠居して坊主となると云い出したのを、阿母さんや番頭が止めたんで、まあ思い止まることになったんですよ」「坊主に……」と、文字春もおどろいた。
— 津の国屋 『半七捕物帳』 青空文庫
でなくとも、女給をして来た人では、庸三の家政はどうかという意見もほかの人から出たので、彼もそれは思い止まることにした。
— 徳田秋声 『仮装人物』 青空文庫
その儘に思い止まることにしてしまった。
— 菊池寛 『神の如く弱し』 青空文庫
方士その思い止まるが宜しかろうと諫めたれど聞き入れぬから、そんならマルク尊者の縁日の夜が近付き居る、当夜蛇王が七年目ごとの例で、某処で蛇どもの集会を開くはず、その節蛇王の前に供うる天の山羊乳を盛った皿に麪麭一片を浸し、逃げ出す先に自分は口に入れ得たら、夜中の秘密を知り得ると教えた。
— 蛇に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
然しお馨さんは如何しても思い止まることが出来なかった。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫
併し彼が理論的である限り、予期の帰結がどうしても惹き出せない時、之を思い止まるのが健全な場合であろう。
— 戸坂潤 『イデオロギーの論理学』 青空文庫
第一武芸には、上には上があるものだから、そう物好きをやるべきものではない――という米友の諫言は正当にして穏健なるものだが、そうかといって思い止まるには、道庵に自信があり過ぎる。
— 流転の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
合戦の勝負のことはどうあろうとも、この儀を思い止まることは、三成としては決して罷りならざるの儀でござる。
— 不破の関の巻 『大菩薩峠』 青空文庫