弄り物
いじりもの
名詞
標準
文例 · 用例
中には霊の飢餓を訴うるものがあっても、霊の空腹を充たすの糧を与えられないで、かえって空腹を鉄槌の弄り物にされた。
— 内田魯庵 『二葉亭余談』 青空文庫
が、性来|愚鈍な彼は、始終朋輩の弄り物にされて、牛馬同様な賤役に服さなければならなかった。
— 芥川龍之介 『じゅりあの・吉助』 青空文庫
一同はびっくりして、「や、これは、お嬢さま」「大勢で下郎を弄り物になさるなどと、見苦しいではありませんか。
— 山本周五郎 『半化け又平』 青空文庫
ほんの座興で、決して弄り物などに致した訳ではございません。
— 山本周五郎 『半化け又平』 青空文庫
椙江は呆れて、しばらくその後ろ姿を見送っていた、――あれほど弄り物にされていながら、「からかったのは自分の方だ」とは、本当に底抜けの馬鹿であろうか?
— 山本周五郎 『半化け又平』 青空文庫
それだけのものか』と、自嘲して――『それが、拙者を弄り物にした証拠だ。
— 吉川英治 『夏虫行燈』 青空文庫
聡明な登山者よ、どうか俺たちなども、いたずらに弄り物にしたり、金もうけの種にしたり、焚物に重宝がったりする段でなく、もっと高い精神的な面で、われわれへの理解と共感を深めて欲しい。
— 中村清太郎 『ある偃松の独白』 青空文庫
断崖の上の一軒屋、焔と山風にはよい弄り物だった。
— 空の巻 『宮本武蔵』 青空文庫