宿年
しゅくねん
名詞
標準
文例 · 用例
その覚え書きを見ると、付近の宿々村々から中津川に集合した宿役人、および村役人らが三郎兵衛の提議に同意して一同署名したことがわかり、儀十郎もやはり落合宿年寄役として署名人の中に加わったこともわかり、一方にはまた、あの三郎兵衛が同門の景蔵や香蔵の留守をひどく心配していることもわかった。
— 第二部上 『夜明け前』 青空文庫
海舟から智略をかりて、結城新十郎や花廼屋因果に一泡ふかしてやろうという宿年のコンタンがあるからである。
— その一 舞踏会殺人事件 『明治開化 安吾捕物』 青空文庫
――それが、去年、江戸南町奉行の任について、大岡越前守忠相として、市中の警政にのぞむと知ってからは、男の虚偽に、宿年のうらみをも併せて、朝に夕に、忘れるという間もない呪いに燃えた。
— 吉川英治 『大岡越前』 青空文庫
織田家とは多年、兵火に兵火をもって、鎬をけずり合って来た宿年の仇敵国であったが、その斎藤家との婚約には、勿論、戦国のならいといってもよい、政略の意味も多分にふくまれている結婚であった。
— 第一分冊 『新書太閤記』 青空文庫
伊勢には、宿年の敵、北畠家があり、美濃には、斎藤。
— 第二分冊 『新書太閤記』 青空文庫
宿年の国境にふたたび争奪の戦いをくりかえして「孤立三河」から現在の苦境を打開したほうがよいか。
— 第二分冊 『新書太閤記』 青空文庫
もし款を毛利家に通じ、彼に利をもってすれば、あわれ遠征宿年にわたる羽柴秀吉以下の軍は、中国の地を墳墓として、ふたたび都を顧みることはできまい。
— 第七分冊 『新書太閤記』 青空文庫
四 年宿年を迎える家のしるしとして、棚と注連飾り松飾り以外にどういう支度をするか。
— 柳田国男 『年中行事覚書』 青空文庫