白襷
しろだすき
名詞
標準
文例 · 用例
白無垢に白襷、白鉢巻をして、肩に合印の角取紙をつけた。
— 森鴎外 『阿部一族』 青空文庫
山の側面に、ちらちら敵の白襷が見えて、ぽつぽつと、白煙が立ち、小さい音がした。
— 直木三十五 『近藤勇と科学』 青空文庫
――貝殻の音があたりの梢に陰々とこだまして、やがて行列は門をくゞりはじめた様子なので、そつと私は幕の間から見降すと、村長、助役、議員達をはじめとして矢の倉村の人々が、てんでんに赤襷白襷の見るも甲斐/\しいいでたちで、どつとばかりにおし寄せて来るのであつた。
— 牧野信一 『ダニューヴの花嫁』 青空文庫
織江であろう白鉢巻、白襷した小さい体が、靡きつ揺れつ髪乱れるように、騒立つ芒の原の中を、前後左右によろめいている。
— 国枝史郎 『血煙天明陣』 青空文庫
咄嗟に考えた範之丞、これも白鉢巻に白襷、袴の股立ちとり上げた姿、甲斐甲斐しくはあったが疲労と困憊とに、クタクタになっている姿を踊らせ、「妹よ、織江よ、しっかり致せ!
— 国枝史郎 『血煙天明陣』 青空文庫
この頃は白襷がはやるから。
— 宮本百合子 『Sketches for details Shima』 青空文庫
第×師団第×聯隊の白襷隊は、松樹山の補備砲台を奪取するために、九十三高地の北麓を出発した。
— 芥川龍之介 『将軍』 青空文庫
その草もない薄闇の路に、銃身を並べた一隊の兵が、白襷ばかり仄かせながら、静かに靴を鳴らして行くのは、悲壮な光景に違いなかった。
— 芥川龍之介 『将軍』 青空文庫