火術
かじゅつ
名詞
標準
文例 · 用例
しきりに城下を往来したが、医をよくし、巫術、火術を知り、その頃にして、人に写真を示した。
— 泉鏡花 『河伯令嬢』 青空文庫
犯人は隠微な手段を藉らずに、堂々と姿を現わして、ブラッケンベルグ火術の精華を打ち放すだろう。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
常に審美性を忘れない法水の捜査法が、ここにもまた、火術初期の宗教戦争で飾り立てた、華麗きわまりない終局を作り上げたのだった。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
すると、突然背後から何者かの手で、装飾品の一つであったフィンランダー式|火術弩が発射されたのだが、運よくその箭は、彼女の頭部をわずかに掠めて毛髪を縫った。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
しかし、室内を一巡して、ようやく水牛の角と海豹の附いた北方海賊風の兜の前まで来ると、彼は側の壁面にある、不釣合な空間に注いだ眼を返して、すぐその前の床から、一張の火術弩を拾い上げた。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
すなわち、この一つの火術弩から発射された鬼箭が、クリヴォフ夫人に生死の大|曲芸を演ぜしめたのであった。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
何故なら、事件発生の直前には、その火術弩は箭を番えたまま、窓の方へ鏃を向けて掲っていたのだし、その操作は、女性でも強ち出来得ないこともないからであった。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
言葉を換えて云えば、火術弩が落ちていた――つまり、当時犯人がいた位置のことなんだよ。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫