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なわて
名詞
1
標準
文例 · 用例
御存じの通り、稲塚、稲田、粟黍の実る時は、平家の大軍を走らした水鳥ほどの羽音を立てて、行き、畔行くものを驚かす、夥多しい群団をなす。
泉鏡花 二、三羽――十二、三羽 青空文庫
道少しばかり、菜種の畦を入つた處に、志す庵が見えました。
泉鏡花 雪靈記事 青空文庫
酒代は惜まぬ客人なり、然も美人を載せたれば、屈竟の壯佼勇をなし、曳々聲を懸け合はせ、、畦道、村の徑、揉みに揉んで、三|里の路に八九|時間、正午といふのに、峠の麓、春日野村に着いたので、先づ一|軒の茶店に休んで、一行は吻と呼吸。
泉鏡花 雪の翼 青空文庫
衣物を脱がせた親仁はと、唯悔しく、来た方を眺めると、脊が小さいから馬の腹を透かして雨上りの松並木、青田の縁の用水に、白鷺の遠く飛ぶまで、がずっと見渡されて、西日がほんのり紅いのに、急な大雨で往来もばったり、その親仁らしい姿も見えぬ。
泉鏡花 薬草取 青空文庫
それでは、もう一方奧へ入つてから其の土橋に向ふとすると、餘程のを拔けなければ、車を返す足場がない。
泉鏡花 遺稿 青空文庫
……軒へ立てる高張は御存じの事と思ふ、やがて其のくらゐだけれども、夜ののこんな時に、唯ばかりでは言ひ足りない。
泉鏡花 遺稿 青空文庫
」 天狗の火、魔の燈――いや、雨の夜ので不思議な大きな提灯を視たからと言つて敢て圖に乘つて、妖怪を語らうとするのではない、却つて、偶然の或場合には其が普通の影象らしい事を知つて、糸七は一先づ讀しやとゝもに安心をしたいと思ふのである。
泉鏡花 遺稿 青空文庫
煙草の薫が來たあとへも、ほんのりと殘りさうで、袖にも匂ふ……たまさかに吸つてふツと吹くのが、すら/\と向ふへ靡くのに乘つて、のほの白いのを蹈むともなしに、うか/\と前途なる其の板橋を渡つた。
泉鏡花 遺稿 青空文庫