長恨
ちょうこん
名詞
標準
文例 · 用例
このごろ始終帝の御覧になるものは、玄宗皇帝と楊貴妃の恋を題材にした白楽天の長恨歌を、亭子院が絵にあそばして、伊勢や貫之に歌をお詠ませになった巻き物で、そのほか日本文学でも、支那のでも、愛人に別れた人の悲しみが歌われたものばかりを帝はお読みになった。
— 桐壺 『源氏物語』 青空文庫
長恨歌、王昭君などを題目にしたのはおもしろいが縁起はよろしくない。
— 絵合 『源氏物語』 青空文庫
隴西の李白、襄陽の杜甫が出て、天下の能事を尽した後に太原の白居易が踵いで起って、古今の人情を曲尽し、長恨歌や琵琶行は戸ごとに誦んぜられた。
— 森鴎外 『魚玄機』 青空文庫
彼が好んで口ずさむ白楽天の長恨歌の「梨花一枝春帯雨」というのは、まさしくこの趣であろうとも思われた。
— 岡本綺堂 『玉藻の前』 青空文庫
涙|滂沱として万感初めて到った呉青秀は、長恨悲泣遂に及ばず。
— 夢野久作 『ドグラ・マグラ』 青空文庫
果ては、自分は興に堪へかねて、常々暗誦して居る長恨歌を極めて声低く吟じ始めた。
— 田山花袋 『重右衛門の最後』 青空文庫
それは、二十年の春を、つい此の間迎えたばかりの呉子さんが、早や墨染の未亡人という形式に葬られて、来る日来る夜を、寂滅と長恨とに、止め度もない泪を絞らねばならなかったことだった。
— 海野十三 『振動魔』 青空文庫
良人は唐の呉融の「不闘※華不点紅、自飛晴野雪濛濛、百花長恨風吹落、唯有楊花独愛風」と云ふ詩を引いて、「この詩の面白味が分かる。
— 附 満蒙の歌 『満蒙遊記』 青空文庫