除ける
のける
動詞
標準
文例 · 用例
その石をそばへ取り除けると、彼は垣根の生け垣の間から、鍬と鋸とを取り出した。
— 葉山嘉樹 『死屍を食う男』 青空文庫
その除ける時、皮肉な奴だ、私の顔を、じっと見上げるのである。
— 葉山嘉樹 『信濃の山女魚の魅力』 青空文庫
そして飛沫をも除けることができるのだ。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
そうして彼の幼時の思い出のかかっている家具の一つでも取除けることを許さなかった。
— 寺田寅彦 『レーリー卿(Lord Rayleigh)』 青空文庫
で、果は亭主が、蚤を除けるための蚤の巣に成つて、棕櫚の毛を全身に纏つて、素裸で、寢室の縁の下へ潛り潛り、一夏のうちに狂死をした。
— 泉鏡太郎 『人魚の祠』 青空文庫
恐しさ、怪しさより、勿体なさに、慌てて踏んでいる足を除けると、我知らず、片足が、またぐッと乗る。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
黄金が肌に着いていると、霧が身のまわり六尺だけは除けるとまでいうのだよ、とおっしゃってね。
— 泉鏡花 『政談十二社』 青空文庫
僕、今日苦しんでるんだ」 薫は肘で払い除けるが、小初は関わず背筋へ入れた砂をぽんぽんと平手で叩き均らして、「ちっとも苦しんでるように見えないわ」「この間、水の中で君に…………、こんなに腫れた」 薫は黒くなっている唇の角をそうっと大事に差し出して見せる。
— 岡本かの子 『渾沌未分』 青空文庫