慈姑頭
くわいあたま
名詞
標準
文例 · 用例
とびがたかを産んだという話はきくが、おやじの三庵はあのとおりおでこの慈姑頭、おふくろさんは四角い顔の寸づまり、あんな似たところのねえ親子なんてものはありゃしねえ。
— 血の降るへや 『右門捕物帖』 青空文庫
米友を口説き落したつもりの道庵は、いよいよ有頂天で、多年の慈姑頭をほごして、それを仔細らしく左右に押分け、鏡に向ってしきりに撫でつけているところは、正気の沙汰とも見えません。
— 流転の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
江戸を出る時は、無論、道庵の慈姑頭で出て来たが、信州へ入ってから急に気が強くなって、武者修行に出で立つべく、総髪を撫下げにした間はまだよろしいが、松本へ来て、川中島の農民が、農は国の本なりと喝破したのに感激して、佐倉宗五郎もどきの農民に額を剃り下げてしまったのは、いまさら取返しのならない失策でした。
— 畜生谷の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
それはトニカクとして、この機会に道庵は酬恩庵をおとずれて、古蹟をたずね、筆蹟を見て、しきりに慈姑頭を振り立てました。
— 椰子林の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
同行の者がちょっと読みなやんでいるのを、道庵はスラスラと読んでしまいました、須弥南畔誰カ我ガ禅ヲ会スヤ虚堂来也半銭ニ直セズ 東海純一休 スラスラと読んでしまってから、慈姑頭を更に一倍振り立てて、「諸方に一休の書と称せられるものが相当あるにはあるがね、あんまり感心しないよう。
— 椰子林の巻 『大菩薩峠』 青空文庫