猿若
さるわか
名詞
標準
文例 · 用例
(F・O)翌朝――猿若町に櫓の太鼓鳴り響けば 鳴り響く櫓太鼓―― =(F・I)お光の茶店(朝まだき) 駕籠が一丁待っている。
— 山中貞雄 『中村仲蔵』 青空文庫
それから猿若町を通って、橋場の渡を渡って、向島のお邸に帰った。
— 森鴎外 『ヰタ・セクスアリス』 青空文庫
それから猿若町に芝居小屋がたくさんあったかのように、何となく夢ながら承知している。
— 夏目漱石 『明治座の所感を虚子君に問れて』 青空文庫
その頃の芝居小屋はみんな猿若町にあった。
— 夏目漱石 『硝子戸の中』 青空文庫
初め長女敬が母と共に坐食するに忍びぬといって、媒するもののあるに任せて、猿若町三丁目|守田座附の茶屋|三河屋力蔵に嫁し、次で次女|銓も浅草|須賀町の呉服商|桝屋儀兵衛に嫁した。
— 森鴎外 『渋江抽斎』 青空文庫
安の女二人のうち、敬は猿若町三丁目の芝居茶屋三河屋に、銓は蔵前須賀町の呉服屋|桝屋儀兵衛の許にいた。
— 森鴎外 『渋江抽斎』 青空文庫
長尾の女敬の夫三河屋力蔵の開いていた猿若町の引手茶屋は、この年十月に新富町に徙った。
— 森鴎外 『渋江抽斎』 青空文庫
姑く二三の消息を注すれば、先ず天保十四年に河原崎座が、先に移った中村、市村両座と共に猿若町に移って、勝諺蔵が立作者|柴晋助となった。
— 森鴎外 『細木香以』 青空文庫