べたべた
べたべた
副詞
標準
文例 · 用例
また西沢李叟は江戸の化粧に関して「上方の如く白粉べたべたと塗る事なく、至つて薄く目立たぬをよしとす、元来女は男めきたる気性ある所の故なるべし」といっている。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
で僕はむくむく起きあがると贅六らしくだらしなく身繕いして、そっと自分の服装を見たんだが、カバレット・トア・ズン・ドルの歴史がべたべたそのまま張られているのに気がついたのです。
— 吉行エイスケ 『孟買挿話』 青空文庫
不見識なのはもちに捏ちられた蠅の形で、窓にも踏台にも、べたべたと手足をあがいて附着く。
— 泉鏡花 『第二菎蒻本』 青空文庫
この一喝を啖うと、べたべたと、蹴出しも袖も崩れて坐った。
— 泉鏡花 『南地心中』 青空文庫
作家としての、悪い宿業が、多少でも、美しいものを見せられた時、それをそのまま拱手観賞していることが出来ず、つい腕を伸ばして、べたべた野蛮の油手をしるしてしまうのである。
— 太宰治 『盲人独笑』 青空文庫
遠慮なくべたべたと威勢よくやつてくれ。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
狸汁の運命から逃れて、やれ嬉しやと思ふ間もなく、ボウボウ山で意味も無い大火傷をして九死に一生を得、這ふやうにしてどうやらわが巣にたどりつき、口をゆがめて呻吟してゐると、こんどはその大火傷に唐辛子をべたべた塗られ、苦痛のあまり失神し、さて、それからいよいよ泥舟に乗せられ、河口湖底に沈むのである。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
ありすぎて、べたべたです。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫