猪子
いのこ
名詞
標準
文例 · 用例
菅笠を目深に冠つて※に濡れまいと思つて向風に俯向いてるから顔も見えない、着て居る蓑の裾が引摺つて長いから脚も見えないで歩行いて行く、背の高さは五尺ばかりあらうかな、猪子しては大なものよ、大方猪ン中の王様が彼様三角形の冠を被て、市へ出て来て、而して、私の母様の橋の上を通るのであらう。
— 泉鏡花 『化鳥』 青空文庫
「私は引田郎の赤猪子と申します者でございます」と娘はお答え申しました。
— 鈴木三重吉 『古事記物語』 青空文庫
赤猪子はたいそう喜んで、それなりお嫁にも行かないで、一心にご奉公を待っておりました。
— 鈴木三重吉 『古事記物語』 青空文庫
赤猪子は、「これではいよいよお宮へご奉公にあがることはできなくなった。
— 鈴木三重吉 『古事記物語』 青空文庫
赤猪子は、「私は、いついつの年のこれこれの月に、これこれこういうおおせをこうむりましたものでございます。
— 鈴木三重吉 『古事記物語』 青空文庫
かわいそうに」とおっしゃって、二つのお歌をお歌いになり、それでもって、赤猪子のどこまでも正直な心根をおほめになり、ご自分のために、とうとう一生お嫁にも行かないで過ごしたことをしみじみおあわれみになりました。
— 鈴木三重吉 『古事記物語』 青空文庫
赤猪子は、そのお歌を聞いて、たまりかねて泣きだしました。
— 鈴木三重吉 『古事記物語』 青空文庫
何を猪子才なと小野さんの額を射た。
— 夏目漱石 『虞美人草』 青空文庫