小形
おがた
名詞
標準
文例 · 用例
」 それから書卓の抽出を開け、象牙の柄に青貝の鋳り込んでいる、女持ちの小形なピストルを取り出した。
— 萩原朔太郎 『ウォーソン夫人の黒猫』 青空文庫
そういう絵はむしろ小形の下絵を陳列した方がいいかもしれない。
— 寺田寅彦 『帝展を見ざるの記』 青空文庫
第五にごく近頃、ハンブルヒのシュリックという有名な造船家が大きな独楽を船中に取付け、これを迅速に回転すると横揺れがほとんど止まるという巧みな考えを出し、小形の船で実験したら非常に好結果を得たので更に目下エルベ、ヘリゴランド間通いの千トンくらいの客船に取付けるのを製造中だそうである。
— 寺田寅彦 『汽船の改良』 青空文庫
そして、何氣なく顏を上げて正面の壁を見詰めた時、其處に掛かつてゐる小形の角時計が四時七分を示してゐるのに氣附いた。
— 南部修太郎 『疑惑』 青空文庫
黒き珊瑚、小形なる椅子を用いる。
— 泉鏡花 『海神別荘』 青空文庫
おなじ小形の椅子に、向って正面に一人、ほぼ唐代の儒の服装したる、髯黒き一|人あり。
— 泉鏡花 『海神別荘』 青空文庫
対の蒲団を、とんとんと小形の長火鉢の内側へ直して、「さ、さ、貴女。
— 泉鏡花 『売色鴨南蛮』 青空文庫
しかし、袴は、精巧|平か、博多か、りゅうとして、皆見事で、就中その脊の高い、顔の長い、色は青黒いようだけれども、目鼻立の、上品向きにのっぺりと、且つしおらしいほど口の小形なのが、あまつさえ、長い指で、ちょっとその口元を圧えているのは、特に緞子の袴を着した。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫