猫なで声
ねこなでごえ
名詞
標準
soft, coaxing voice
文例 · 用例
そんな深慮遠謀もあり、私は、ことさらに猫なで声でどろぼうを招じ入れ、そうして、かれがはいるなり、電燈をぱちんと消してしまった。
— 太宰治 『春の盗賊』 青空文庫
通らせて下されませ」 猫なで声で言いながら、日本橋の御講中といった裕福らしい一団がひと塊になってお籠りしているその人込みの間を、わざわざ押し分けながら前へいざり進んで行きました。
— 身延に現れた退屈男 『旗本退屈男 第六話』 青空文庫
」と、薄気味の悪い猫なで声を出して――まつたく、斯んな種類の中婆アさんといふものがあるんだな!
— 牧野信一 『鏡地獄』 青空文庫
そしてやさしい猫なで声をつくって、「もしもし、瓜子姫子、この戸をあけておくれな。
— 楠山正雄 『瓜子姫子』 青空文庫
あるいは人によりては、これはずるい方法で、猫を被るとか、猫なで声で人を瞞着するとか、西洋でいう羊の毛を被る狼のごとく、偽善の最も甚だしきもののように思うものもある。
— 新渡戸稲造 『自警録』 青空文庫
わしとそなた、二十年の仲じゃ――そなたの仕合せをこそいのれ――」 広海屋が、長崎屋の憎悪に充ちた言葉を聴いて、こう答えて、猫なで声になって、「それに、この座で、其のような話はちと不似合――商売のことなれば、あとでゆっくり談合いたすことにして、そなたも、まず、機嫌よく、一ぱいすごしなさいよ。
— 三上於菟吉 『雪之丞変化』 青空文庫
話ってなんです」「イヤ、手間は取らさん」 刑事は猫なで声を出して云った。
— 海野十三 『疑問の金塊』 青空文庫
その丸木が、いつになく、やさしい猫なで声を出して、新田先生に相談があると言ったのである。
— 海野十三 『火星兵団』 青空文庫
作例 · 標準
彼は要求を通すため、猫なで声で妻に頼み込んだ。
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彼女は猫なで声で「お願い、買って!」とせがんだ。
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普段はクールな彼が、猫なで声で話す姿に驚いた。
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