か弱い
かよわい
形容詞頻度ランク #44116 · 青空 152 例
標準
weak
文例 · 用例
それに反して、「英雄主義」が、か弱い女性、しかも「苦界」に身を沈めている女性によってまでも呼吸されているところに「いき」の特彩がある。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
なるほどそうであったか、姉は勿論母までがそういう心になったでは、か弱い望も絶えたも同様。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
それは、余り世間の荒い波風に当らなかったか弱い、あるいは生一本な処女が、家庭を持ってその主婦となり、周囲の煩瑣な事件や境遇にひどくいたぶられた時、それに呼応して起った心内の愛欲苦悶が素直にはけ口を得ずして鬱屈し、これに加えて肉体的の過労や病気がますますヒステリーを引き起す助縁となります。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
か弱い足からは、だれの目にもわかるくらい、血がにじみ出ましたが、それでも、お姫さまはただ笑って、どんどん王子のあとについていきました。
— ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 『人魚の姫』 青空文庫
か弱い足は、するどいナイフでつきさされるようでしたが、いまはそれを感じないほどに、心のきずは、もっともっと痛んでいるのでした。
— ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 『人魚の姫』 青空文庫
まだ やつと 飛べるやうに なつたばかりの 頃、いたづらな 少年に とらへられて 片足を ひもで 固く 縛られましたため か弱い 足は きづついて しまつたのでした。
— 新美南吉 『うまれて 來る 雀達』 青空文庫
しかし、金魚は、この喰べられもしない観賞魚は、幾分の変遷を、たった一つのか弱い美の力で切り抜けながら、どうなりこうなり自己完成の目的に近づいて来た。
— 岡本かの子 『金魚撩乱』 青空文庫
「強いとか弱いとかって、一体どういうことだろうなあ」という趙の言葉は――と、その時私はハッと気が付いたように思った――ただ現在の彼一個の場合についての感慨ばかりではないのではなかろうか、と其の時、私はそう思ったのだ。
— 中島敦 『虎狩』 青空文庫
作例 · 標準
生まれたばかりの赤ん坊が、か細くも懸命に上げるか弱い産声が、静まり返った分娩室に響き渡った。
コンクリートの隙間から顔を出したか弱い双葉が、激しい夕立に打たれながらも必死に土を掴んで離さない。
彼女の透き通るような白い肌と、今にも折れてしまいそうなしなやかでか弱い手首が、見る者に守ってあげたいという衝動を抱かせる。
嵐の夜、停電した部屋で灯したか弱いロウソクの火が、隙間風に揺れては消えそうになり、一人きりの不安を増幅させた。