引き結び
ひきむすび
名詞
標準
文例 · 用例
帽子の紐の結び方は、女結びではなくて、引き結びといわれる水兵結びであった。
— 『モルグ街の殺人事件』続編 『マリー・ロジェエの怪事件』 青空文庫
小間使いを相手に、浪子は良人の洋服を脱がせ、琉球紬の綿入れ二枚重ねしをふわりと打ちきすれば、武男は無造作に白縮緬の兵児帯尻高に引き結び、やおら安楽|椅子に倚りぬ。
— 徳冨蘆花 『不如帰 小説』 青空文庫
例えば第三句で、「引き結び」と云って置いて、「まさきくあらば」と続けているが、そのあいだに幾分の休止あること、「豊旗雲に入日さし」といって、「こよひの月夜」と続け、そのあいだに幾分の休止あるのと似ているごときである。
— 斎藤茂吉 『万葉秀歌』 青空文庫
すると、引き結びができたところで、囚人は自分の神に向かって叫びをあげ始めた。
— ジョージ・オーウェル George Orwell 『絞首刑』 青空文庫
直行は可難しげに眉を寄せ、唇を引結びて、「何者か知らんて、一向|心当と謂うては無い。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
何を申すも、わたくしは目の不自由な小坊主でございますから……」「こうしてはおられぬ」 兵馬は脇差の下げ緒を口にくわえて、手早く帯を引結びました。
— 無明の巻 『大菩薩峠』 青空文庫