結着
けっちゃく
名詞
標準
文例 · 用例
寧ろこれは、此の詩観が大体の結着をみた当時、即ち今より十三年ばかり前に書けばよかつたのであるが、当時は青春で一杯であつて、論文を纏めるなぞといふ気持には不向きであつた。
— 中原中也 『我が詩観』 青空文庫
天に星の輝く如く、采の目の疾く、駒の烈しく動くに連れて、中空を見よ、岫を湧き、谷を飛ぶ、消えた雲が残り、続く雲が累り、追ふ雲が結着いて、雲はやがて厚く、雲はやがて濃く、既にして近くなり、低く成つた。
— 泉鏡太郎 『神鑿』 青空文庫
仏教のぎりぎり結着の話は実はこれだけであります。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
太都夫丹濃の二人は相談することも出來ないが、思は同じで、此結着が如何につくべきか、彼小室の落著やう彼に如何なる覺悟のあるにや、必ず諸子の望みを滿足させると誓つた彼は、どういふ處置をとる考であるか。
— 伊藤左千夫 『古代之少女』 青空文庫
思い入った決心を眉に集めて、日ごろの楽天的な性情にも似ず、運命と取り組むような真剣な顔つきで大事の結着を待つ木村の顔。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
そしてその最後の切れた時には、たツた一ポンドだけを以つても結着がついてしまふだらう。
— 斷橋 『泡鳴五部作』 青空文庫
新聞を見ると、政局不安は何う結着するか誰にも解らないらしい。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
左利き――それが、ギリギリ結着というところだ。
— 小栗虫太郎 『地虫』 青空文庫