御冠
おかんむり
形容動詞
標準
文例 · 用例
宝沢殿の御冠りなされた菅笠、只今これへ持参致させまする」 女中が、酒肴を運んできた。
— 直木三十五 『大岡越前の独立』 青空文庫
君は維新のおん帝、御十七の若帝、御束帯に御冠、御板輿に打乗らせ、天下取ったる公卿将卒に前後左右を護らして、錦の御旗を五十三|駅の雄風に翻へし、東下りを果し玉ひぬ。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫
彼の惡戲者は御苦勞にも繪で見る天神樣の樣な御冠を作り、白衣も用意して、先廻りして社内に入つて與八の來るのを待つてゐた。
— 土井八枝 『隨筆 藪柑子』 青空文庫
與八は恐る/\顏を上げて見ると、こはいかに、眞白な御衣に御冠を御着けになつたまさしく天神樣のお姿ではないか。
— 土井八枝 『隨筆 藪柑子』 青空文庫
嚴くしや、若草野邊を稚國としろしめす君、御冠に黄金を鐫りて、御座をばみどりに裝ふ。
— 蒲原有明 『春鳥集』 青空文庫
「ところで、お客様方、いずれよりお越しで御座る、差支えなくば承わり度い」「――――」「裏金の御冠物、金銀の御佩刀――御召物の裏梅の紋所――並々ならぬ方とは存ずるが」 主人も暫らくは判断に迷った様子です。
— 大名の倅 『奇談クラブ〔戦後版〕』 青空文庫
次に投げ棄つる御冠に成りませる神の名は、飽咋の大人の神八。
— 校註 古事記 『古事記』 青空文庫