くうす
くうす異読 クース
名詞
標準
vintage awamori
文例 · 用例
訓導宮沢賢治早くもひとり雪をけりはるかの吹雪をはせ行くは木鼠捕りの悦治なり三人ひとしくはせたちて多吉ぞわらひ軋るとき寅は溜りに倒れゐし赤き毛布にくるまりて風くるごとに足小刻むは十にたらざる児らなれや吹雪きたればあとなる児急ぎて前にすがりつゝ一列遠くうすれ行く
— 宮沢賢治 『訓導』 青空文庫
とにかくうすら寒い時候に可愛らしい筍をにょきにょきと簇生させる。
— 寺田寅彦 『郷土的味覚』 青空文庫
その必死な母親の怒りに対して父親は張合いもなくうす苦く黙笑してばかりいる。
— 岡本かの子 『鮨』 青空文庫
やゝ眺めていると、ひと色の平盆の雪も少し向う側寄りは、丸くうす緑の色に染っていました。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
腐れゆく襤褸のにほひ、酢と石油……にじむ素足に落ちちれる果実の皮、赤くうすく、あるは汚なく……片手には噛りのこせし林檎をばかたく握りぬ。
— 北原白秋 『邪宗門』 青空文庫
その看板には、ごくうすい色で、栗毛の馬に乘つたふたりの少女の圖が描いてあつた。
— 立原道造 『夜に就て』 青空文庫
けれども彼女が夜おそくうす暗い湯殿のなかに衣を脱いだ時、ふくらんだ乳房が物悲しく動悸をつたへてゐた。
— 素木しづ子 『三十三の死』 青空文庫
硬い樣な、黒い樣な葉のかげにまんまろくうす赤い實のなつてゐるのを見るのもわるくはないが、柿や柚子と違つて何となく冷たい。
— 若山牧水 『たべものの木』 青空文庫