酒池
しゅち
名詞
標準
文例 · 用例
輝くばかりで、やがて他の大一座が酒池肉林となっても、ここばかりは、畳に蕨が生えそうに見える。
— 泉鏡花 『燈明之巻』 青空文庫
おどろくな、酒池肉林という、……」「カフエか?
— 太宰治 『人間失格』 青空文庫
支那人一流の毒々しいエロと、バクチと、酒池肉林式の正月気分に、ウンという程|飽満したアトの富豪連ですから、そうした脱俗的なピクニック気分を起すのは、生理上むしろ当然の要求かも知れませんからね。
— 夢野久作 『狂人は笑う』 青空文庫
わたしが酔つて来ると、彼はいくらでも酔つた方が好いとすゝめながら、君が大いに金を儲けて酒池肉林の快楽に耽るところを見物したい――といふ意味などを冗談さうに云ふ程寛いだ。
— 牧野信一 『痩身記』 青空文庫
これを北に攻むれば虚に乗じて劉邦が直ちに頭を擡げやうとする……朕は苦しまぎれに暴政を用ひ、酒池の快楽に耽けつてゐるのだ。
— 牧野信一 『悲しき項羽』 青空文庫
これを喩えば、大廈高楼の盛宴に山海の珍味を列ね、酒池肉林の豪、糸竹管絃の興、善尽し美尽して客を饗応するその中に、主人は独り袒裼裸体なるが如し。
— 福沢諭吉 『日本男子論』 青空文庫
杯盤狼藉酒池肉林――というほどの馳走でもないが、沢庵の輪切りにくさやを肴に、時ならぬ夜ざかもりがはずんで、ここ離庵の左膳の居間には、左膳、源十郎、仙之助に与吉。
— 乾雲坤竜の巻 『丹下左膳』 青空文庫
食物だけのことを望めば、人間はいかなる酒池肉林に入れても永く満足はせぬものである。
— 新渡戸稲造 『自警録』 青空文庫