毬栗
いがぐり異読 イガグリ
名詞
標準
chestnut in its burr
文例 · 用例
令夫人は、駒下駄で圧えても転げるから、褄をすんなりと、白い足袋はだし、それでも、がさがさと針を揺り、歯を剥いて刎ねるから、憎らしい……と足袋もとって、雪を錬りものにしたような素足で、裳をしなやかに、毬栗を挟んでも、ただすんなりとして、露に褄もこぼれなかった。
— 泉鏡花 『木の子説法』 青空文庫
一樹が、あの、指を胸につけ、その指で、左の目をおさえたと思うと、「毬栗は果報ものですよ。
— 泉鏡花 『木の子説法』 青空文庫
わが遊びし頃は、うつくしく天窓そりたるか、さらぬは切禿にして皆|梳いたるに、今は尽く皆|毬栗に短く剪みたり。
— 泉鏡花 『照葉狂言』 青空文庫
「神奈川の町で金に困って、女の着物を売ろうとしたのから足がついて、ここでいよいよ召し捕られることになりましたが、その時には髭なぞを綺麗に剃って、あたまは毬栗にしていたそうです。
— 海坊主 『半七捕物帳』 青空文庫
意地の悪い奴はつむじが曲っていると申しますが毬栗頭にてはすぐわかる。
— 内村鑑三 『後世への最大遺物』 青空文庫
決して邪魔にする気ではないが、綾衣をこうして預かっていることは、火の中にある毬栗を守っているよりも更にあぶないと思われた。
— 岡本綺堂 『箕輪心中』 青空文庫
処へ案内もなく障子をガラリと開けて、方面無髯の毬栗頭がぬうッと顔を出した。
— 内田魯庵 『貧書生』 青空文庫
「ふゥむ、」と得意らしく小鼻を揺めかしながら毬栗頭は褪げチヨロケた黒木綿の紋付羽織をリウとしごいて無図と座つた。
— 内田魯庵 『貧書生』 青空文庫
作例 · 標準
足元の毬栗をうっかり踏んでしまい、鋭い棘が厚手の靴底を突き抜けるかと思った。
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秋の深まりとともに、山道には実が弾け飛んだ後の空の毬栗が目立つようになった。
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「わあ、痛そう! そんなに素手で毬栗を触っちゃだめだよ」
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毬栗から実を取り出すには、両足の靴底で左右に広げるようにして剥くのが一番効率的だ。
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