鈿女
うずめ
名詞
標準
文例 · 用例
さて天鈿女は、目人に勝れたる者なれば、選ばれ往きて胸乳を露わし、裳帯を臍下に垂れ、笑うて向い立ち、猿田彦と問答を遂げたとあるは、女の出すまじき所を見せて、猿田彦の見毒を制服したのだ。
— 蛇に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
この両神女なるに子孫の氏ある事疑わしと宣長は言ったが、そこがすなわち母系統で続ける氏もあった証拠で、『古語拾遺』に天鈿女命は〈猿女君の遠祖なり云々、今かの男女皆号して猿女君と為す〉とある通り、その子孫代々男女とも父の氏を称せず母の氏で押し通したんだ。
— 馬に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
天の鈿女すなわちその胸乳を露わし裳帯を臍の下に抑えて向い立つと、さしもの高鼻たちまち参ったと『日本紀』二の巻に出づ。
— 猪に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
そうして、宮の婦人たちは彼らの前で、まだ花咲かぬ忍冬を頭に巻いた鈿女となって、酒楽の唄を謡いながら踊り始めた。
— 横光利一 『日輪』 青空文庫
そうして、王宮からは、苡の実を髪飾りとなした鈿女らが山韮を振りながら、酒楽の唄を謡い上げて踊り始めた。
— 横光利一 『日輪』 青空文庫
その時に、氏族中の一人の女であった鈿女命が頓智を出して、極めて陽気な「たたら舞」をした。
— 宮本百合子 『私たちの建設』 青空文庫
鈿女命の踊りは、氏族に重大な問題が起った時に、後世のような偏見は持たれず、女がその解決のために自由な創意を働かすことが出来たという当時の社会の事実をも語っている。
— 宮本百合子 『私たちの建設』 青空文庫
此資格の高いものを鈿女命と言ふ。
— 折口信夫 『若水の話』 青空文庫