猶予なく
ゆうよなく
副詞
標準
without delay
文例 · 用例
その場を張り守っていた河神は猶予なく姿を掴む。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
ここに恐しき相談一決して、得三は猶予なく、お藤の帯に手を懸けぬ。
— 泉鏡花 『活人形』 青空文庫
母の後には、帯も裳もしどけなく、脛も露出に立ったるお葉の艶なる姿が見えたので、重太郎は山猿のような笑い声を出して、猶予なく其前にひらりと飛んで行った。
— 岡本綺堂 『飛騨の怪談』 青空文庫
一条の綱を力として猶予なくするすると降りて行くと、彼は中腹の稍扁平い岩石の上に立って、先ず彼の安行の死骸を発見した。
— 岡本綺堂 『飛騨の怪談』 青空文庫
彼女は猶予なく返事した。
— 岡本かの子 『巴里祭』 青空文庫
もし行人で二人の姿を見て佇む様子に動くこゝろがあるらしいと見て取れば彼等は、乞食のカンで察して猶予なく歩み寄り、「一銭頂戴な」と掌を差出すのでした。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
この水の深いのに感心なことと思いつつ、予は猶予なくその郵便をとりに降りる。
— 伊藤左千夫 『水籠』 青空文庫
半七は猶予なく飛び出して、その女中の腕をつかんで座敷へぐいぐいと引き摺り込んだ。
— 山祝いの夜 『半七捕物帳』 青空文庫
作例 · 標準
彼女の才能は、単なる器用さを超えた有余を感じさせた。
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