棲息
せいそく
名詞
標準
文例 · 用例
そのやうな彼が棲息するに、ただもうゴマカルことを事としてゐるかの如き現代インテリ界は不適当なものであつた。
— 中原中也 『思ひ出す牧野信一』 青空文庫
これ獅子が比較的人家に近く棲息していた時代において、人々がこの動物の習性を熟知していたことを示すものである)。
— 内村鑑三 『ヨブ記講演』 青空文庫
その模様を見ると火星の上にはどうしても智能を備えた人類のごときものが棲息していると考えざるを得ないと該天文台長のロウエル氏は断言している。
— 寺田寅彦 『話の種』 青空文庫
実際また、いま日本の谷川に棲息している二尺か二尺五寸くらいの山椒魚でも、くらいついたり何かすると酷いそうです。
— 太宰治 『黄村先生言行録』 青空文庫
その他は、四国にも九州にもいまのところ見当らぬそうで、箱根サンショウウオというのが関東地方に棲息して居りますけれども、あれはまた全く違った構造を持っているもので、せいぜい蠑※くらいの大きさでありまして、それ以上は大きくなりませぬ。
— 太宰治 『黄村先生言行録』 青空文庫
それでは、事実、あれが「いかぬ老頭」の池に棲息していたのに違いない。
— 太宰治 『黄村先生言行録』 青空文庫
家の周りの花園や畑や牧場や、其等を取り巻く野鳥野獣を棲息させて猟をする雑木林の中の小路を突き貫けて七・八丁も走りましたわ。
— 岡本かの子 『母と娘』 青空文庫
彼らは、きまって自分の家の周りに、一番手近かに飲食料の貯蔵所、家畜、野菜畑、果樹園を置き、次に穀物畑、葡萄畑、次に牧場、最後に小さな灌木の密林(野鳥獣を棲息させて、時折りこれを捕ったり、家具を作る木材を得る)という順に置いて、一幅の風景画のように、各家庭が散在しております。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫