私雨
わたくしあめ
名詞
標準
local rainfall (esp. at the top of a mountain)
文例 · 用例
山間の私雨といふ言葉は實に斯樣いふのをいふのであらう。
— 幸田露伴 『華嚴瀧』 青空文庫
洗馬にて梅雨ばれの私雨や雲ちぎれ「梅雨ばれ」と云ひ、「私雨」と云ひ、「雲ちぎれ」と云ひ、悉俗語ならぬはない。
— 芥川龍之介 『芭蕉雑記』 青空文庫
谷中は私風に鳴子かな ウ白「私雨」という言葉がある。
— 柴田宵曲 『古句を観る』 青空文庫
芭蕉に「梅雨ばれの私雨や雲ちぎれ」という句があり、西鶴も「偖も此所の私雨、恋をふらすかと袖ぬれて行ば」(『三代男』)「軒端はもろ/\のかづらはひかゝりてをのづからの滴こゝのわたくし雨とや申すべき」(『五人女』)などと使っている。
— 柴田宵曲 『古句を観る』 青空文庫
更に後世になっても「あやしさの私雨や初紅葉」という嘯山の句、「箱根山関もる人も朝ぎりのわたくし雨にあざむかれつゝ」という景樹の歌など、これを踏襲したものがある。
— 柴田宵曲 『古句を観る』 青空文庫
そこばかり降るのを「私雨」と称するのは、誰の創意に成る言葉か知らぬが、含蓄があって面白い。
— 柴田宵曲 『古句を観る』 青空文庫
已に私雨という言葉が通用する以上、私風もあって差支なさそうである。
— 柴田宵曲 『古句を観る』 青空文庫
私雨という言葉から出発して、新に私風という言葉を造ったのか、地方的にこういう言葉があったものか、その辺の穿鑿は不案内である。
— 柴田宵曲 『古句を観る』 青空文庫