罷る
まかる
動詞
標準
文例 · 用例
人逢ひて、これは何方よりおはする人の斯くは走り給ふぞと問ひければ、かゝる所へ行きたりつるが、逃げて罷るなりとの給ふに、あはれ浅間敷かりけることかな、それは纐纈城なり、彼処に行きぬる人の帰ることなし。
— 国枝史郎 『神州纐纈城』 青空文庫
三 新しいほかひの詞石上|布留の大人は、嫋女の眩惑によりて、馬じもの縄とりつけ、畜じもの弓矢|囲みて、大君の御令畏み、天離る鄙辺に罷る。
— 折口信夫 『国文学の発生(第二稿)』 青空文庫
○憶良等は今は罷らむ子哭くらむその彼の母も吾を待つらむぞ 〔巻三・三三七〕 山上憶良 山上憶良臣宴を罷る歌一首という題がある。
— 斎藤茂吉 『万葉秀歌』 青空文庫
汚い鞍ではございますが、どうぞ、それがしの駒の背へ」「が、そちは」「京へ罷る途中でございましたが、それどころかは。
— あしかが帖 『私本太平記』 青空文庫
呼ばれたら罷るまでのこと。
— あしかが帖 『私本太平記』 青空文庫
したが、鳥合ヶ原へ罷る時刻も、はや遅いほどに思われますが」「いや、犬合せの番組など、どう進もうが、かまいはせぬ。
— あしかが帖 『私本太平記』 青空文庫
そして、君公のごきげんは上々の首尾であり、御賞辞とお杯を賜わろうゆえ、すぐ御前へ罷るようにとつたえ、また、高氏の背をなでては、「よくなされたの。
— あしかが帖 『私本太平記』 青空文庫
――御使いをつかわし給わば、かならず罷るものと存じられます」 と、一人がいった。
— 帝獄帖 『私本太平記』 青空文庫