三々九度
さんさんくど
名詞
標準
three-times-three exchange of nuptial cups
文例 · 用例
自分の郷里では、今は知らず二十年も以前は、婚礼の三々九度の杯をあげている座敷へ、だれでもかまわず、ドヤドヤと上がり込んで、片手には泥だらけの下駄をぶら下げたままで、立ちはだかって花嫁や花婿の鼻の高低目じりの角度を品評した。
— 寺田寅彦 『LIBER STUDIORUM』 青空文庫
辻堂の中で三々九度の杯をするように一杯飲もう、と言った。
— 泉鏡花 『鷭狩』 青空文庫
写真屋は倉持が結婚してからは、好運が急角度で自分の方に嚮きかえり、時節が到来したように思われ、大島の対の不断着のままの銀子を料亭の庭の松の蔭に立たせて、おもむろにシャッタアを切るのだったが、二階へあがって来ると、呑めもせぬ酒を注ぎ、厳かな表情で三々九度の型で、呑み干したり干させたりした。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
写真屋は倉持が結婚してからは、好運が急角度で自分の方に嚮きかえり、時節が到来したように思われ、大島の対の不断着のままの銀子を料亭の庭の松の蔭に立たせて、おもむろにシャッタアタア」]を切るのだったが、二階へあがって来ると、呑めもせぬ酒を注ぎ、厳かな表情で三々九度の型で、呑み干したり干させたりした。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
まず、最初は三々九度の真似事らしく、顔を真赤にして羞恥んでいる西村さんと、キャアキャア笑っているハイカラ美人が、呆気に取られている片輪たちの前で、赤い盃を遣ったり取ったり、押し戴いたりしていたが、間もなく外の連中も、白い盃や茶呑茶碗でガブガブとお酒を呑み初めた。
— 夢野久作 『いなか、の、じけん』 青空文庫
大人は、自分には二度まで夫人を殺しただけ、盞の数の三々九度、三度の松風、ささんざの二十七度で、婚姻の事には馴れてござる。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
羞含んで、ぼうとなって、俯向くので話が極って、赫と逆上せた奴を車に乗せて、回生剤のような酒をのませる、こいつを三々九度と云うのよ。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
……丸官はんの方もな、私が身に替えて、承知させた……三々九度やさかい、ああした我ままな、好勝手な、朝云うた事は晩に変えやはる人やけど、こればかりは、私が附いているよって、承合うて、どないしたかて夢にはせぬ。
— 泉鏡花 『南地心中』 青空文庫
作例 · 標準
神前式では、夫婦の契りを交わす儀式として三々九度が行われる。
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花嫁と花婿は、厳かな雰囲気の中で三々九度を執り行った。
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日本の伝統的な結婚式には、三々九度のような美しい習慣が残っている。
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