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混々

こんこん
形容動詞
1
標準
文例 · 用例
車掌台からどやどやと客が引込む、直ぐ後へ――見張員に事情を通じて、事件を引渡したと思われる――車掌が勢なく戻って、がちゃりと提革鞄を一つ揺って、チチンと遣ったが、まだ残惜そうに大路に半身を乗出して人だかりの混々揉むのを、通り過ぎ状に見て進む。
泉鏡花 婦系図 青空文庫
オフェリヤの頸には、その左側がパクリと無残な口を開いていて、そこから真紅の泉が、混々と湧き出して行くのである。
小栗虫太郎 オフェリヤ殺し 青空文庫
本郷の混々した所から此辺に来ると、何故か落ちついた気がする。
林芙美子 放浪記(初出) 青空文庫
彼れの論ずる所は雑駁にせよ、堅硬を欠くにせよ、其混々たる脳の泉は今日に至るまで猶流れて涸るゝことをなし。
山路愛山 明治文学史 青空文庫
牛乳は一旦煮沸したる者を喞筒にて三階に送り、其処にて氷を盛りたる鉄の曲管間を潜らせ、その状あたかも滝の如く、潺々混々、白糸を撒くが如し。
秋の巻 食道楽 青空文庫
見よや、水天彷彿たる琉球臺灣の彼方よりは、混々たる暖潮、暖帶の生物を送り來り、北米の盡所、露領の極北より來る冽々たる寒流は、雪を作り霜を作りて、寒帶生物を養ふ。
竹越三叉 世界の日本乎、亞細亞の日本乎 青空文庫
此地眺望最も秀美、東は滄海漫々として、旭日の房総の山に掛るあり、南は玉川混々として清流の富峰の雪に映ずるあり、西は海老取川を隔て云々、大層賞めて書いてある。
江見水蔭 悪因縁の怨 青空文庫
風の蕭々として葉上に吟ずるも、水の混々として石間に走るも、人の相遇って喜び、相離れて悲しむも、怪中の怪、妖中の妖ならざるなし。
緒言 妖怪学講義 青空文庫
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