径路
けいろ
名詞
標準
文例 · 用例
想うにかように転ずるのは、ずっと古い時代に起った音変化の結果かと思われるが、その径路は今明らかでない。
— 橋本進吉 『国語音韻の変遷』 青空文庫
かような、研究をはじめた径路の上には違いがありますが、どちらも仮名の用法の問題であり、ことに仮名の使いわけである点で、共に仮名遣に関するものであります。
— 橋本進吉 『古代国語の音韻に就いて』 青空文庫
国貞の女が清長や歌麿から生れたのはこういう径路を取っている。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
何の関係もない色々の工場で製造された種々の物品がさまざまの道を通ってある家の紙屑籠で一度集合した後に、また他の家から来た屑と混合して製紙場の槽から流れ出すまでの径路に、どれほどの複雑な世相が纏綿していたか、こう一枚の浅草紙になってしまった今では再びそれをたどって見るようはなかった。
— 寺田寅彦 『浅草紙』 青空文庫
女中に聞いてみると、この橋の袂へ猫を捨てに来る人が毎日のようにあって、それらの不幸なる孤児等が自然の径路でこの宿屋の台所に迷い込んで来るそうである。
— 寺田寅彦 『さまよえるユダヤ人の手記より』 青空文庫
刑事がここまで追跡する径路は甚だ不明であるが、つかまりさえすればそんなことはこの芝居にはどうでもよいので、これですっかり容疑者被告を造り上げる方の仕事が完成した訳である。
— 寺田寅彦 『初冬の日記から』 青空文庫
それで堅い枕、頸の痺れ、新聞記事の感電、電気をあつかっている友人、その助手と云ったような順序にこの夢の発展の径路が進行したのではないかと想像される。
— 寺田寅彦 『夢判断』 青空文庫
これに達した径路は問う所ではないのである。
— 寺田寅彦 『科学上の骨董趣味と温故知新』 青空文庫