遣られる
やられる
動詞-一段
標準
to suffer damage
文例 · 用例
やはり※祇尼法であったろうことは思遣られるが、他の者に祈られて狐が二匹室町御所から飛出したなどというところを見ると、将軍長病で治らなかった余りに、人に狐を憑けるなどという事が一般に信ぜられていたに乗じて、他の者から仕組まれて被せられた冤罪だったかも知れない。
— 幸田露伴 『魔法修行者』 青空文庫
……一度口へ出して、ピシリと遣られる、二度とは面は向けられまい、お鹿も今夜ぎりと思うと何となく胸が迫って卓子台の上が暗かった……」 お孝はポンと楊枝をくべた、すうッと帯を揺って焦れったそうに、「ちょいと、まあ、待って頂戴よ。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
處を惣領が甚六で、三男が、三代目の此の唐やうと來た日には、今はじまつた事ではなけれど、親たちの迷惑が、憚りながら思遣られる。
— 泉鏡太郎 『麥搗』 青空文庫
それはともかく、あの悪智慧のほどが可恐しい、行末が思い遣られると、見るもの聞くもの舌を巻いた。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
意気張ずくで死んで見せように到っては、益々悩乱のほどが思い遣られる。
— 泉鏡花 『春昼後刻』 青空文庫
異香室内に滿つ――で、尊さが思遣られる。
— 泉鏡太郎 『人參』 青空文庫
※き騒いで呼立てない、非凡の見識おのずから顕れて、裡の面白さが思遣られる。
— 泉鏡花 『革鞄の怪』 青空文庫
東京の西北方から勢を起しながら、山の手の高台に阻まれ、北上し東行し、まるで反対の方へ押し遣られるような迂曲の道を辿りながら、しかもその間に頼りない細流を引取り育み、強力な流れはそれを馴致し、より強力で偉大な川には潔く没我合鞣して、南の海に入る初志を遂げる。
— 岡本かの子 『河明り』 青空文庫