摩利支天
まりしてん
名詞
標準
Marici (Buddhist god of war)
文例 · 用例
暮れもおし詰まった二十六日の晩、妻は下女を連れて下谷摩利支天の縁日へ出かけた。
— 寺田寅彦 『どんぐり』 青空文庫
また亥の日には摩利支天には上げる数を増す、朔日十五日二十八日には妙見様へもという工合で、法華勧請の神々へ上げる。
— 幸田露伴 『少年時代』 青空文庫
ここに摩利支天を安置し、これに冊く山伏の住える寺院を中心とせる、一落の山廓あり。
— 泉鏡花 『妖僧記』 青空文庫
ここ嶮峻なる絶壁にて、勾配の急なることあたかも一帯の壁に似たり、松杉を以て点綴せる山間の谷なれば、緑樹|長に陰をなして、草木が漆黒の色を呈するより、黒壁とは名附くるにて、この半腹の洞穴にこそかの摩利支天は祀られたれ。
— 泉鏡花 『妖僧記』 青空文庫
一人が柴又へ走ると一人は深川の不動へ詣り、広小路の摩利支天や、浅草の観音へも祈願をかけ、占いも手当り次第五六軒当たってみたが、どこも助かると言うもののない中に、病人の肌襦袢に祈祷を献げてもらった柴又だけが、脈があることを明言したのだった。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
才兵衛はおろかにもそれを自身の出世と考え、わしの今日あるは摩利支天のお恵みもさる事ながら、第一は恩師鰐口様のおかげ、めったに鰐口様のほうへは足を向けて寝られぬ、などと言うものだから、鰐口は町内の者に合わす顔が無く、いたたまらず、ついに出家しなければならなくなった。
— 太宰治 『新釈諸国噺』 青空文庫
摩利支天に願掛けて、わしは一生、女に近寄らないつもりなのだ。
— 太宰治 『新釈諸国噺』 青空文庫
彼の所謂洒落本こんにやく本及び草紙類の作家が惟一の理想とし、武道の士の八幡|摩利支天に於けるが如く此粋様を仰ぎ尊みたるの跡、滅す可からず。
— 北村透谷 『粋を論じて「伽羅枕」に及ぶ』 青空文庫
作例 · 標準
勝利を司る摩利支天は、上杉謙信をはじめとする多くの武将たちから篤い信仰を集めた。
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摩利支天の像はしばしば三面六臂の勇ましい姿で表され、悪を退ける威厳を放っている。
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境内にある摩利支天の石碑に手を合わせ、これから始まる大会での必勝を誓った。
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