才蔵
さいぞう
名詞
標準
文例 · 用例
かれは木綿の財布に小銭を少しばかり入れているだけで、ほかにはなんにも手掛りになりそうなものを持っていなかったが、半七はその右の手のひらの鼓胝をあらためて、彼はおそらく才蔵であろうとすぐ鑑定した。
— 三河万歳 『半七捕物帳』 青空文庫
たとえ万歳であろうが、才蔵であろうが、勝手にくらい酔って凍え死んだというだけのことであれば、別にむずかしい詮議はいらない。
— 三河万歳 『半七捕物帳』 青空文庫
他国者の才蔵が赤児をかかえて、寒い夜なかに江戸の町なかをさまよい歩いていたという、その理窟が呑み込めなかった。
— 三河万歳 『半七捕物帳』 青空文庫
「さあ、手のひらの硬い工合がどうも才蔵じゃねえかと思いますが……」「むう。
— 三河万歳 『半七捕物帳』 青空文庫
やあぽんぽんの才蔵じゃあ、どうも平仄が合わねえじゃあねえか」「ごもっともです」と、半七も考えていた。
— 三河万歳 『半七捕物帳』 青空文庫
大江戸の歳の暮に万歳や才蔵を探してあるくのは、その相手のあまり多いのに堪えなかった。
— 三河万歳 『半七捕物帳』 青空文庫
才蔵が因果者をかかえて行き倒れになっている。
— 三河万歳 『半七捕物帳』 青空文庫
行き倒れの才蔵がふところに抱えていたのは、決して猫の児ではなかった。
— 三河万歳 『半七捕物帳』 青空文庫