独り寝
ひとりね
名詞
標準
文例 · 用例
……路之助の……」 立女形、あの花形に、蝶蜂の群衆った中には交らないで、ひとり、束髪の水際立った、この、かげろうの姿ばかりは、独り寝すると思ったのに―― 請う、自惚にも、出過ぎるにも、聴くことを許されよ。
— 泉鏡花 『白花の朝顔』 青空文庫
「気楽な独り寝なものですから、いい気になって寝坊をしてしまいましたよ。
— 末摘花 『源氏物語』 青空文庫
「独り寝がなんともいえないほど寂しく思われる夜だった。
— まぼろし 『源氏物語』 青空文庫
例のような目のさめがちな独り寝のつれづれさを思って按察使の君と言って、他の愛人よりはやや深い愛を感じている女房の部屋へ行ってその夜は明かした。
— 宿り木 『源氏物語』 青空文庫
翌日笹村は独り寝の小さい蚊帳を通りで買って、新聞紙に包んで抱えて帰った。
— 徳田秋声 『黴』 青空文庫
」 お増はそう思いながら、やっと自分が自分の匿されている家に、蚊帳のなかで独り寝ているのだということが頭脳にはっきりして来た。
— 徳田秋声 『爛』 青空文庫
彼は暗い所にたった独り寝るのが淋しかったのだろう、翌る朝までまんじりともしない様子であった。
— 夏目漱石 『硝子戸の中』 青空文庫
先日関白殿のお歌の会に『独り寝の別れ』というむずかしい題が出た。
— 岡本綺堂 『玉藻の前』 青空文庫