幻辞.com

心置き

こころおき
名詞
1
標準
文例 · 用例
而もこの声楽家は、許嫁との死別の悲しみに堪えずしてその後間もなく死んでしまったが、許嫁の妹は、世間の掟に従って、忌の果てには、心置きなく喪服を脱いだのであった。
太宰治 女の決闘 青空文庫
わたくしが話す乞食の生活の経験、啓司が話す勉強生活の齟齬の経験、何の種類にしろ女が一たんおのれの偽装を剥がれたと思う男には、もはや心置きなく又、逃さじと心を相手に身を捨てゝ心を通わして行くものであります。
岡本かの子 生々流転 青空文庫
おまえははじめわたしの洒脱と親切に心置きない父親を得た心地してわたしに親しみ伴って来たと言う。
岡本かの子 生々流転 青空文庫
青年は心置きなく語ったようだ。
岡本かの子 褐色の求道 青空文庫
どうせ宗教で、人間超越の見込みがつかず、享楽本位に気持を入れ換えたのなら、いっそ俗人に立ち還って、心置きなくその目的に身を入れたらよさそうなものだと思うのに、慧鶴はそれもしなかったらしい。
岡本かの子 宝永噴火 青空文庫
ユーザーは心置きなく文字や手書きのメモ、写真などを自分で入力できるが、たいていの場合はマイクロフィルム化して売られている書籍や雑誌、新聞、写真や絵画などを装置に差し込んで参照する。
富田倫生 パソコン創世記 青空文庫
自分の後継者であるべきものに対してなんとなく心置きのあるような風を見せて、たとえば懲しめのためにひどい小言を与えたあとのような気まずい沈黙を送ってよこした。
有島武郎 親子 青空文庫
それでも彼は能うかぎり小作人たちに対して心置きなく接していたいと願った。
有島武郎 親子 青空文庫