篋底
きょうてい
名詞
標準
文例 · 用例
ただ余の出立の朝、君は篋底を探りて一束の草稿を持ち来りて、亡児の終焉記なればとて余に示された、かつ今度出版すべき文学史をば亡児の記念としたいとのこと、及び余にも何か書き添えてくれよということをも話された。
— 西田幾多郎 『我が子の死』 青空文庫
これに対する先生の返書今偶然これを篋底に見出しぬ。
— 永井荷風 『書かでもの記』 青空文庫
コレ鄙稿ヲ篋底ニ探リ出シテ新ニ剞※氏ニ託スル所以ナリトイフ。
— 永井荷風 『下谷叢話』 青空文庫
それは何冊かの日記になって今もなお篋底に残って居る。
— 高浜虚子 『子規居士と余』 青空文庫
私は寧ろ此の方を気耻かしくない心持で読み返すことが出来る)それから二号に「象」を出し、三号に漸く「刺青」を出し、ついでに、これも既に篋底に貯へてあつた“The Affair of Two Watches”を出した。
— 谷崎潤一郎 『青春物語』 青空文庫