美肉
びにく
名詞
標準
文例 · 用例
」「豈しからん、この美肉をよ、貴様一人で賞翫してみい、たちまち食傷して生命に係るぞ。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
なるほど、これは肥え太った美肉とは言えないが、骨附きの痩肉ではあるが、肉は肉に相違ない。
— 椰子林の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
禍害の運にこゝに來し楫取多き船の上、途に壯嚴の君の壇すぐるたびごと、堅城のトロイア軍の壞滅を祈りて、爲めに牛王の 240脂肪美肉を捧げしを今明かにわれは曰ふ。
— ILIAS 『イーリアス』 青空文庫
ヴェルハアレンを感奮せしめたる生血滴る羊の美肉と芳醇の葡萄酒と逞しき婦女の画も何かはせん。
— 永井荷風 『江戸芸術論』 青空文庫
次に肉食人に美肉が与えられていない。
— 北大路魯山人 『フランス料理について』 青空文庫
寄れば触れば、「あの三寸男が」だの「ちんちくりんのボロ布れが」のと、武大の家には町中の目が見通す節穴でもあるような騒ぎだし、あげくには、「いやはや、惜しい美肉が、犬コロの口へ落ちたもんさ」 と、囃されたりした。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
彼は、兄の勝頼のように、豊頬美肉の男子でなかった。
— 第六分冊 『新書太閤記』 青空文庫
もう、とうに主人の肉欲に飼われた一片の美肉とされているのだろう。
— 婆娑羅帖 『私本太平記』 青空文庫