あてがい扶持
あてがいぶち
表現名詞
標準
discretionary allowance
文例 · 用例
けれども、配給とりも直さず万事あてがい扶持で、唯々諾々と生きる無気力の習性となるなら、それは堕落と云われなければならない。
— 宮本百合子 『今日の生活と文化の問題』 青空文庫
あてがい扶持の低い家禄のものとして、余裕のないその日その日は、気の持ちようまでもぎすぎすさせ一図にさせたのだ。
— 本庄陸男 『石狩川』 青空文庫
こんな所へ寮を建てて、そこへ奥様を住まわせて、あてがい扶持をくれて飼って置かれる。
— 国枝史郎 『生死卍巴』 青空文庫
収入もまたかりにお客が二千円くれたのに千円ですと言って、その中から千円分の税金と部屋代、(折半に近い金額)を支払われても、パレス側は一切、女からのあてがい扶持で、唯々諾々としていなければならない。
— 正岡容 『艶色落語講談鑑賞』 青空文庫
それは、今まで、さしたるライバルもなく、呑気にあてがい扶持に満足していた公卿たちである。
— 第一巻 『現代語訳 平家物語』 青空文庫
而もあてがい扶持のニュースを与えられるだけだ。
— 戸坂潤 『世界の一環としての日本』 青空文庫
瑠璃子は、やがて子爵家の跡目相続をした近親のものが邸へ乗り込んで来ること、そうなれば親族会議の結果定められたあてがい扶持で別邸に住まねばならぬこと、それにつけても、あなたは子爵家の遠い縁者に当るのだから、何分のお力添えが願い度いなどと、しんみりした打開話さえしたものだ。
— 江戸川乱歩 『白髪鬼』 青空文庫
彼女はその頃はもう、あてがい扶持の別邸住いになっていたが、そこから川村の目を忍んで、独でわしのホテルへ遊びに来ることもあった。
— 江戸川乱歩 『白髪鬼』 青空文庫
作例 · 標準
侍は主君からの「あてがい扶持」で生活していた。
江戸時代の藩士は「あてがい扶持」で生計を立てた。
家臣は領主から「あてがい扶持」を月々受け取る。
禄高は「あてがい扶持」として家に配分された。