慳
慳
名詞
標準
文例 · 用例
さ、早くお寢なさいまし」 さういふ突慳貪な聲を聞かされると、行夫はすつかり眼を覺してしまふだらう。
— 有島武郎 『小さき影』 青空文庫
一見突慳貪にも見えるけれど、実は寧ろ気が弱い迄に見解の博い人である。
— 中原中也 『萩原朔太郎評論集 無からの抗争』 青空文庫
といつてこのお婆さんは、何もそれ以上に邪慳だといふのでもなく、六ヶ|敷屋でもないのでした。
— 中原中也 『家族』 青空文庫
その時母が父にも怒を移して慳貪に口をきいたことをも思い出し、父のこと母のこと、それからそれへと思を聯ね、果は親子の愛、兄弟の愛、夫婦の愛などいうことにまで考え込んで、これまでに知らない深い人情の秘密に触れたような気にもなった。
— 国木田独歩 『酒中日記』 青空文庫
「何しに来たの」と母は突慳貪に一言。
— 国木田独歩 『酒中日記』 青空文庫
同時に自分は「そこに血がある、血がある」といって新聞紙で蔽った血痕を指して云った、自分の声が恐ろしく邪慳に自分の耳に響いた。
— 寺田寅彦 『病中記』 青空文庫
またある時は「あなた、かくしているでしょう、きっとそうだ、あなたそうでしょう」とうるさく聞きながら、余の顔色を読もうとする、その祈るような気づかわしげな目づかいを見るのが苦しいから「ばかな、そんな事はないと言ったらない」と邪慳な返事で打ち消してやる。
— 寺田寅彦 『どんぐり』 青空文庫
すると、それまで黙々としていた彼の顔が、危険な形相に変って、邪慳に妾の腕を振払うと、モナコの花開く寺院の饗宴場に向って行ってしまいました。
— 吉行エイスケ 『バルザックの寝巻姿』 青空文庫
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慳 (けん) は、仏教が教える煩悩のひとつ。
出典: 慳 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0