ウイット
ウイット異読 ウィット
名詞
標準
wit
文例 · 用例
――僕はあなたの小説を読んだことはないが、リリシズムと、ウイットと、ユウモアと、エピグラムと、ポオズと、そんなものを除き去ったら、跡になんにも残らぬような駄洒落小説をお書きになっているような気がするのです。
— 太宰治 『ダス・ゲマイネ』 青空文庫
然れどもわれは寧ろ十返舎の為に泣ざるを得ざる悲痛あり、彼の如き豪逸なる資性を以て、彼の如きゼヌインのウイットを以て、而して彼の如くに無無無の陋巷に迷ひ、無無無の奇語を吐き、無無無の文字を弄して、遂に無無無の代表者となつて終らしめたるもの、抑も時代の罪にあらずして何ぞや。
— 北村透谷 『徳川氏時代の平民的理想』 青空文庫
Fの家はFの母と姉と、私の妹であるFの妻と、Fの若い妹二人という家庭でしたが、老母と姉とを除いた全部がとても探偵小説好きで、「トリック」だの「ウイット」だの「アリバイ」だのと、中学卒業程度の私にはわかりかねる術語を使ってすごい話ばかりしているのです。
— 夢野久作 『所感』 青空文庫
要するに夏目さんは、感覚の鋭敏な人、駄洒落を決して言わぬ人、談話趣味の高級な人、そして上品なウイットの人なのである。
— 内田魯庵 『温情の裕かな夏目さん』 青空文庫
最後の一点は、読者のウイットと推理力とだけで、読者に見当のつきうる程度まで持ち札を見せてしまうのが本当ではあるまいか。
— 平林初之輔 『「陰獣」その他』 青空文庫
あっさりした、それでいてかなり厚味のある筆触で叙述をすすめて最後の場面で軽いウイットでしめくくってあるところは余裕のある書きぶりである。
— 平林初之輔 『探偵小説壇の諸傾向』 青空文庫
もちろんウイットを主とするものにまで私は「人生味」を注文しはしない。
— 平林初之輔 『『心理試験』を読む』 青空文庫
辰野九紫の滑稽物にやや新鮮味が見られるが、この人の面白さも、やはり落語的話術の巧みさが主であって、真のウイットで腹の底まで哄笑させるようなところが少ない。
— 平林初之輔 『昭和四年の文壇の概観』 青空文庫
作例 · 標準
例句