近代都市
きんだいとし
名詞
標準
modern city
文例 · 用例
道路に土が顔を出している処には近代都市は存在しないということになるらしい。
— 寺田寅彦 『ゴルフ随行記』 青空文庫
故に伊太利ヴェニスの芸術家等は、ゴンドラを焼打ちして水市を破壊し、自動車と飛行機の爆音で充填された、幾何学的コンクリートの近代都市を造れと言ってる。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
三 近代都市の雑音のやかましさ。
— 薄田泣菫 『独楽園』 青空文庫
名古屋駅を下りてから柳橋、納屋橋を越すまでは、銀座どころか、銅座か鉛座ぐらゐの感じしかないが、一たび納屋橋に立つて、静かに東を向いて眼を放つならば、さすがに、近代都市の面影を認めざるを得ない。
— 小酒井不木 『名古屋スケツチ』 青空文庫
みどりの沃野にかこまれた「古い近代都市」のところどころに名ある建物がそびえ、水面に小蒸汽がうかび、白亜の道を自動車が辿り、この刹那凝然としているストックホルムのうえに、北の入日は七色の魅魍を投げる。
— 白夜幻想曲 『踊る地平線』 青空文庫
近代都市の交通機関内では、朝夕どれだけ多量にこの擬似性慾が消費されていることでしょう。
— Mrs. 7 and Mr. 23 『踊る地平線』 青空文庫
動坂の上にたって今日東の方を眺めると、坦々たる田端への大通りの彼方にいかにも近代都市らしい大陸橋が見え、右手には道灌山の茂みの前に大成中学校の建物が見える。
— 宮本百合子 『田端の汽車そのほか』 青空文庫
大阪という近代都市の勤労大衆の生活は豊富な現実の内容をもっていて、例えば大月氏の小説に「性格」とは、おのずから違った題材の可能を語っているのではなかろうか。
— 宮本百合子 『新年号の『文学評論』その他』 青空文庫