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顔触れ

かおぶれ
名詞
1
標準
文例 · 用例
この土地は、東京の郊外には違いありませんが、でも、都心から割に近くて、さいわい戦災からものがれる事が出来ましたので、都心で焼け出された人たちは、それこそ洪水のようにこの辺にはいり込み、商店街を歩いても、行き合う人の顔触れがすっかり全部、変ってしまった感じでした。
太宰治 饗応夫人 青空文庫
はっとして吉田がその女の顔を見ると、それはその病舎の患者の付添いに雇われている付添婦の一人で、勿論そんな付添婦の顔触れにも毎日のように変化はあったが、その女はその頃露悪的な冗談を言っては食堂へ集まって来る他の付添婦たちを牛耳っていた中婆さんなのだった。
梶井基次郎 のんきな患者 青空文庫
こんなことが続けられて行くうちに、不思議にも、来る連中の顔触れが決まってしまって、その人々は下町でも金持とか物持とかいわれる家の息子ばかり六七人になりました。
岡本かの子 生々流転 青空文庫
女給の顔触れも変っていて、小鈴は居なかった。
織田作之助 放浪 青空文庫
マダムの腕一つで女給の顔触れが少々悪くても結構|流行らして行けると意気込んだ。
織田作之助 夫婦善哉 青空文庫
俳優の顔触れも寂しかったし、出しものもよくはなかった。
徳田秋声 仮装人物 青空文庫
ところで、しばらく来ない間に、だいぶ顔触れが変ったようだが……」「ええ、最近に仮髪師を一人拾いましてな。
小栗虫太郎 人魚謎お岩殺し 青空文庫
ことしの七月と八月は暑中休会であったが、秋の彼岸も過ぎ去った九月の末、きょうは午後一時から例会を開くという通知を受取ったので、あいにくに朝から降りしきる雨のなかを小石川へ出てゆくと、参会者はなかなかの多数で、いつもの顔触れ以外に、男おんなをまぜて新しい顔の人びとが十人あまりも殖えていた。
開会の辞 中国怪奇小説集 青空文庫