流心
りゅうしん
名詞
標準
文例 · 用例
先生には、みじんも風流心が無いのである。
— 太宰治 『黄村先生言行録』 青空文庫
珍しい景をかたわらにした家であると風流心におもしろく宮は思召した。
— 総角 『源氏物語』 青空文庫
たまには夜店で掛物をひやかしたり、盆栽の一鉢くらい眺める風流心はあるかも知れない。
— 夏目漱石 『文芸の哲学的基礎』 青空文庫
一体そんなところへ何しに行ったのかというと、つまり妙義から碓氷の紅葉を見物しようという親父の風流心から出発したのですが、妙義でいい加減に疲れてしまったので、碓氷の方はがた馬車に乗りましたが、山路で二、三度あぶなく引っくり返されそうになったのには驚きましたよ。
— 岡本綺堂 『木曽の旅人』 青空文庫
余はなるほどと始めて自分の迂濶を愧ずると共に、余の風流心に泥を塗った友人の実際的なのを悪んだ。
— 夏目漱石 『思い出す事など』 青空文庫
砂蟹が人の跫音をきいて八方へ逃げ出すので踏むではならないと気をつけ出すと、蟹の巣が無数に砂の中にならんでゐて、到底そんな風流心を抱いては歩き憎くかつた。
— 牧野信一 『或るハイカーの記』 青空文庫
アレだけの筆力も造詣もありながら割合に大作に乏しいのは畢竟芸術慾が風流心に禍いされたのであろう。
— ――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド―― 『淡島椿岳』 青空文庫
椿岳を大ならしめたのも風流心であるが、小ならしめたのもまた風流心であった。
— ――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド―― 『淡島椿岳』 青空文庫