櫛目
くしめ
名詞
標準
(sign of) combing
文例 · 用例
少い髪を櫛目を透かしてぺっとりと撫でつけている。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
◇ 後頭部に心持ち黄色い白毛が半月型に残っているのを綺麗に櫛目を入れていた。
— 夢野久作 『梅津只圓翁伝』 青空文庫
その文樣は釉をかける前に櫛目、象嵌などいつて、櫛樣のものや釘や箆などで文樣をつけ、其儘にして釉をかけたのもあれば、又雲鶴手など彫つたところに白土を象嵌してから釉をかけたのもある。
— 小野賢一郎 『やきもの讀本』 青空文庫
汚れた白い上着に、花模樣のぎらぎらと光りのしたスカート、櫛目もない亂れた髮、蒼ざめた顏の色、大きい黒の石のはいつた奇妙な指輪をわざわざ右の人差し指にはめたところは、何としても、昔の娘の姿とは思へない。
— 林芙美子 『暗い花』 青空文庫
櫛目のよく通る日本人の髪を切るなんてイミ無いわ」「まあ待て待て。
— 夢野久作 『超人鬚野博士』 青空文庫
髪をこってりと櫛目だてて分け、安物だがズボンの折目はきっちり立った荒い縞背広を着たその男は、黒い四角い顔で私を睨み、「そこへかけて」 顎で椅子をしゃくった。
— 宮本百合子 『刻々』 青空文庫
なりはこの間と変りなく、撫子模様のめりんすの帯に紺絣の単衣でしたが、今夜は湯上りだけに血色も美しく、銀杏返しの鬢のあたりも、まだ濡れているのかと思うほど、艶々と櫛目を見せています。
— 芥川龍之介 『妖婆』 青空文庫
「お帰りあそばせ」 丁寧にこうお辞儀をするその櫛目のはいったばかりの頭髪へ夫人の眼がいった。
— 矢田津世子 『女心拾遺』 青空文庫