拭き消す
ふきけす
動詞-五段-サ行
標準
to wipe out
文例 · 用例
指で窓ガラスに、人の横顔を落書して、やがて拭き消す。
— ――ひそひそ聞える。なんだか聞える。 『鴎』 青空文庫
殊に外記が今夜の笑い顔には、拭き消すことのできない陰った汚点が濃くにじんでいるのを認めていた。
— 岡本綺堂 『箕輪心中』 青空文庫
「さっきからなんど書いたかわからないのに平気でほんとにひどいわ」 一座の人々から妙な子だというふうにながめられているのにも頓着なく、貞世は姉のほうに向いて膝の上にしなだれかかりながら、姉の左手を長い袖の下に入れて、その手のひらに食指で仮名を一字ずつ書いて手のひらで拭き消すようにした。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
可愛らしい鼓村は、大きな、入道のような体で恐縮し、間違えると子供が石盤の字を消すように、箏の絃の上を掌で拭き消すようにする。
— 長谷川時雨 『朱絃舎浜子』 青空文庫
鏡の面から自分の影を拭き消すと闇になる、暮になる。
— 夏目漱石 『虞美人草』 青空文庫
おお、この墓石の上に書いてある文句を拭き消すことが出来ると仰しゃって下さい!
— A CHRISTMAS CAROL 『クリスマス・カロル』 青空文庫
馬鹿ねえ、といいながら、まっ直ぐに黒板のほうへ歩いて行って、その上の字を拭き消すと、いつもとちがった、ひどくつきつめたような顔で皆のほうへ戻って来て、床の上へ坐り込みながら、囁くような声で、いった。
— 海の刷画 『キャラコさん』 青空文庫
若い美しい女ばかり、声も立てず、形も残さず、描いたものを拭き消すように行方知れずになるのですから、江戸中の不安は募るばかり、そのうち誰ともなく――神隠しだと言い始めると、この宿命的な妖神の悪戯に対して、町人達――わけても美しい娘や女房を持った人々は、本当に顫え上がってしまいました。
— 江戸阿呆宮 『銭形平次捕物控』 青空文庫
作例 · 標準
ホワイトボードに書かれたメモを、ウェットティッシュで完全に拭き消した。
幻辭AI · gemini-2.5-flash
「あれ、インクが消えない!」と焦りながら、しつこい汚れを懸命に拭き消す。
幻辭AI · gemini-2.5-flash
証拠を隠滅するため、指紋を全て拭き消す必要があった。
幻辭AI · gemini-2.5-flash