無我の境地
むがのきょうち
表現名詞
標準
state of selflessness
文例 · 用例
ちなみに太郎の仙術の奥義は、懐手して柱か塀によりかかりぼんやり立ったままで、面白くない、面白くない、面白くない、面白くない、面白くないという呪文を何十ぺん何百ぺんとなくくりかえしくりかえし低音でとなえ、ついに無我の境地にはいりこむことにあったという。
— 太宰治 『ロマネスク』 青空文庫
それは二人の勝負師が無我の境地のままに血みどろになっている瞬間であった。
— 織田作之助 『勝負師』 青空文庫
――お千は絶対無我の境地にあるような姿勢をしていた。
— 海野十三 『棺桶の花嫁』 青空文庫
彼は、影のような過去の夢の中になおさまよいながらも、やわらかい霊光の無我の境地に浸って、渺茫たるかなたに横たわる自由をあこがれる新たに目ざめた心境をおこそうと思った。
— 茶の本 『茶の本』 青空文庫
真は批判の規準であって、善悪美醜を超越して無私無我の境地に身を置くことは、その批判的態度であった。
— 豊島与志雄 『性格批判の問題』 青空文庫
かうして彼は無我の境地に(多田君は私にさう言つた)没入し、死ぬこともみえのことも忘れ果てた時、高く差し上げた指先にひやりとしたものを感じた。
— 北條民雄 『戯画』 青空文庫
だがなかなか無我の境地にはなれない。
— 北大路魯山人 『魂を刳る美』 青空文庫
平地では夢想だもしなかった、登山者の前にのみ次から次へと展開する新しい驚異は、知らず知らずの間に山にあこがれ、山に徹底し、これと融合して無我の境地に到達しなければ止まない衝動を与える。
— 木暮理太郎 『山の魅力』 青空文庫
作例 · 標準
座禅を組んで雑念を払い、ようやく無我の境地に達した。
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彼はバイオリンを弾いている時だけは、世俗を忘れて無我の境地にいるようだ。
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トップアスリートは、極限の状態で見事なパフォーマンスを見せる無我の境地を経験するという。
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標準
state of total absorption
作例 · 標準
締め切り直前の作家は、周囲の騒音も聞こえないほど執筆に没頭し、無我の境地に入っていた。
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その職人は、無我の境地で何時間も休まずに銀細工を彫り続けた。
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ゲームに熱中するあまり、彼は食事の時間さえ忘れて無我の境地でコントローラーを握っていた。
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