歯切
はぎり
名詞
標準
文例 · 用例
あれら魂が稀薄なために、夢が浅いので歯切れが好いばかりだ。
— ―― a Cobayashi 『Me Voila』 青空文庫
―――彼等が歯切れの好いことは彼等の人格と無関係だ。
— ―― a Cobayashi 『Me Voila』 青空文庫
お医者の世界観は、原始二元論ともいうべきもので、世の中の有様をすべて善玉悪玉の合戦と見て、なかなか歯切れがよかった。
— 太宰治 『満願』 青空文庫
鴎座の事務所に電話をかけたら、女のひとが出て、或いは有名な女優かも知れない、媚びたところも無く自然の、歯切れのよい言葉で、ていねいに教えてくれた。
— 太宰治 『正義と微笑』 青空文庫
私もさっそく四人の大学生の間に割込んで、先生の御高説を拝聴したのであるが、このたびの論説はなかなか歯切れがよろしく、山椒魚の講義などに較べて、段違いの出来栄えのようであったから、私は先生から催促されるまでも無く、自発的に懐中から手帖を出して速記をはじめた。
— 太宰治 『花吹雪』 青空文庫
それから、いろいろとまた、別の話もしたが、来客は、私の思想の歯切れの悪さに、たいへん失望した様子でそろそろ帰り仕度をはじめた。
— ――ひそひそ聞える。なんだか聞える。 『鴎』 青空文庫
」留吉は歯切りをした。
— 黒島伝治 『豚群』 青空文庫
歯切りして口惜しがっていればいい。
— 断片 『小さき良心』 青空文庫