両袖
りょうそで
名詞
標準
both sleeves
文例 · 用例
土佐の海岸どこに立って見ても東西に陸地が両袖を拡げたようになっているから、この附会は附会として興味がある。
— 寺田寅彦 『土佐の地名』 青空文庫
鯉はかれの両袖にかかえられて、おとなしく運び去られるのを、女房は唯うっかりと眺めていると、女は帰るときにお徳に云った。
— むらさき鯉 『半七捕物帳』 青空文庫
からだひとつ消えよかしと両手を肩に縋りながら顔もてその胸を押しわけたれば、襟をば掻きひらきたまいつつ、乳の下にわがつむり押入れて、両袖を打かさねて深くわが背を蔽いたまえり。
— 泉鏡花 『龍潭譚』 青空文庫
私は胸に両袖を合せて帰りました。
— 太宰治 『誰も知らぬ』 青空文庫
そしてそこに体を倚せかけたまま、両袖を顔にあてて声をひそめながら泣きはじめた。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
」 海の方を背にして安からぬ状に附添った、廉平の足許に、見得もなく腰を落し、裳を投げて崩折れつつ、両袖に面を蔽うて、ひたと打泣くのは夫人であった。
— 泉鏡花 『悪獣篇』 青空文庫
黒小袖の肩を円く、但し引緊めるばかり両袖で胸を抱いた、真白な襟を長く、のめるように俯向いて、今時は珍らしい、朱鷺色の角隠に花笄、櫛ばかりでも頭は重そう。
— 泉鏡花 『露肆』 青空文庫
……で、薄ら寒いか両袖を身震いして引合わせたが、肩が裂けるか、と振舞は激しく、風采は華奢に見えた。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
作例 · 標準
彼は喜びのあまり、目の前にいた友人の両袖を掴んでぶんぶんと振った。
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着物の両袖に、美しい桜の刺繍が施されている。
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「まあ、そんなに泣いて。着物の両袖が涙で濡れてしまいますよ」
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